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Tableauの社内認定資格制度を6年運用して思うこと

こんにちは、廣本です🐾。

新卒社員向けのデータ関連研修やBIツールの研修を長年担当しているのですが、社会人の成長において、学習習慣の定着と新しい知識への興味関心を持つことは非常に重要だなと考えています。特にキャリアの早期段階でこれらを身につけることが、その後の成長に大きな影響を与えると考えています。

今回はそんな社内教育を実施する中で感じたことについてまとめてみました。

Tableauの社内認定資格制度

6年前からTableauの社内認定資格制度を継続して実施しています。この制度は、単に「研修の受講」で終わらせるのではなく、そこで習得したスキルや知識を客観的に評価する仕組みとして構築したものです。この制度は、会社公式のものではなく私自身が中心となって設計し、本部内で推進しているため、全社的な取り組みというわけではありません。しかし、他社で同様の取り組みを推進されている方々からも「ぜひ参考にしたい」と言わることが多く、「この話をぜひ紹介してほしい」と登壇のご依頼をいただくこともあります。先日10月8日にもTableauのユーザー会でお話しさせていただきました。

認定資格は初級レベルの「Data Kitty」、中級レベルの「Data Cat」、そして上級レベルの「Data Tiger」の3種類を設けています。

 

各レベルに応じた社内研修を受けてもらうのが前提ですが、合格条件としては、以下の2つを設定しています:

  1. 知識テストで満点を取ること
  2. 社内コミュニティ活動を実施すること

 

1.知識テストで満点を取得すること

与えられた問いに対して、Tableauでデータを読み解き、正しい回答を導き出すテストです。研修で学んだ機能を応用して実際に使用することができるかを評価します。試験をクリアすることが目的ではなく、あくまで「しっかり理解してその機能を使いこなせるようになる」ことを目指しているので、満点が取れるまで何回でもチャレンジできるようにしています。

2.社内コミュニティ活動をおこなうこと

そしてもう1つの条件が、社内のTableauユーザーコミュニティへの貢献するための活動をおこなうことです。具体的には、ナレッジを一定数投稿したり、他の人からの質問に回答したり、自分が分析した結果を社内に共有したりする活動です。自分が持っている知識や技術を積極的にアウトプットすることで、周囲への貢献になることはもちろん、自らの理解度を深めることにもつながるため、この活動も条件として設定しています。


社内認定資格制度の効果

毎年、新卒や中途/異動者向けの研修の一環として取り組んでいるこの社内認定資格制度ですが、主に以下のようなメリットがあると感じています。

1. モチベーション向上効果

心理学でいう「ラベリング効果」を活用し、認定資格という形で「Tableauスキルを持つ社内エキスパート」というポジティブなラベルを付与することで、受講者の自信とモチベーション向上につながっています。これにより、より積極的な学習行動や、スキル活用への意欲が高まる効果があると思われます。

2. 学習進捗の可視化

研修講師やマネージャーにとっても認定資格はメリットがある取り組みです。認定資格の受験状況を見ることで、受講者のモチベーションや理解度を客観的に把握できるようになりました。これにより、必要に応じて追加のサポートや指導をおこなうことが可能になり、より効果的な教育を実現できています。

3. コミュニティの活性化

認定条件に社内コミュニティへの参加を含めることで、知識やスキルの共有が活発に行われる文化を醸成するきっかけとしても機能しています。社内とはいえ、最初にコミュニティに参画するのは勇気がいることです。しかし、「認定資格に合格するために」という動機をつけることで(無理矢理にでも)最初の一歩を踏み出してもらうことで、参加のハードルをぐっと下げることができていると感じています。実際、認定資格の受験をきっかけに社内コミュニティに気軽に投稿できるようになったという声もありました。


社内認定資格制度の課題

一方で、社内認定資格を運用する上でいくつか課題もあると感じています。

1. モチベーションの継続

認定資格を受験するときは、積極的に学習や社内コミュニティへの参加を行ってくれるのですが、それを資格取得後も継続的に行ってくれる人はどうしても少なくなってしまいます。認定資格を取得すること自体をゴールとしないための工夫は必要だなと感じています。認定資格後も継続的に活動を行ってくれている人に対して、より上位の認定資格を与える(+定期的に見直す)等、継続性を評価する仕組みがあると良いかもしれないなと感じています。

2. 社外コミュニティへの意識不足

社内で研修や認定資格を整えることで、社内だけで活動が完結してしまうので、社外コミュニティへの関心が低くなってしまう可能性もあるなと感じています。Tableauのコミュニティは非常に活発で、僕自身も刺激になることが多いです(コミュニティの人の活動やVizを知ると、自分はまだまだ井の中の蛙だなぁと思うこともしばしば)。そのため、なおさら社外コミュニティにも意識を向けてほしいなと思う場面がよくあります。社外コミュニティへの意識や活動も、認定資格の条件に付け加えても良さそうです。


今後の展望

この6年間の運用を通じて、社内認定資格制度は単なるスキル認定の枠を超え、継続的な学習文化の醸成に貢献するきっかけになっていると感じています。一方で、今後は長年運用する中での課題も見えてきたので、現状に甘んじることなく、継続的に仕組みを見直してより良い制度にしていけると良いなと考えています。

この記事を書いた人

廣本 (id:hrhrkun)

以前はBIの開発業務を担当。今はナレッジマネジメントの推進や、AIエージェントの開発をメインにいろいろ行っています。