
Looker Studio Pro 会話分析とは
今回のテーマは『Looker Studio Pro 会話分析』です。
Looker Studio Proの会話分析は、自然言語でデータに関する質問や分析が可能な機能です。 2025年6月現在、プレビュー版としてGoogleから提供されています。
これまでのレポートやダッシュボードにはない、ユーザー一人一人に寄り添ったデータ分析が可能になります。
会話分析は、Gemini for Google Cloud を活用したデータとチャットする機能です。会話分析を使用すると、ビジネス インテリジェンスの専門知識を持たないユーザーでも、通常の自然な(会話形式の)言語でデータ関連の質問を実行し、静的なダッシュボードを超えた分析情報を入手できます。会話分析は、Looker(Google Cloud コア)インスタンスと Looker(オリジナル)インスタンスで利用できます。
https://cloud.google.com/looker/docs/studio/conversational-analytics-looker-studio?hl=ja
準備編:使いはじめる前に
必要なライセンス
- Looker Studio Pro 会話分析を利用するには、以下の2つの方法があります。 (残念ながら、無償で使えるLooker Studioでは会話分析は使えません)
- Lookerを契約する Looker契約ユーザーには、Looker Studio Proのサブスクリプションが無償で付帯します。 https://cloud.google.com/looker/docs/admin-panel-platform-lsp?hl=ja#accept
- Looker Studio Proを契約する ライセンスに関する詳しい情報は公式サイトをご参照ください。 https://cloud.google.com/looker/docs/studio/looker-studio-pro-subscription-overview?hl=ja
取込み可能なデータ
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データソースの取込み方法は、以下4つです。
- Looker(オススメ度:★★★) 作成済みのLookerのModelを設定する
- BigQuery(オススメ度:★★★) 作成済みのデータセット>テーブルを設定する
- Googleスプレッドシート(オススメ度:★☆☆) 2025年6月時点ではカラムがうまく認識されませんでした。
- CSVファイルのアップロード(オススメ度:★☆☆) 2025年6月時点ではカラムがうまく認識されませんでした。

実践編:会話してみる
できること
- 自然言語でデータクエリ:SQLなどの専門知識がなくても、「先月の売上は?」といった日常の言葉で質問し、回答を得られます。
- 自動グラフ生成:質問内容に応じて、棒グラフ・円グラフ・折線グラフを生成できます。以下、サポートされている表現です。
- 折れ線グラフ(1 つ以上の系列)
- 面グラフ
- 棒グラフ(横棒、縦棒、積み上げ)
- 散布図(1 つ以上のグループ)
- 円グラフ
- マルチターン対話:一度質問した内容に基づいて、さらに深堀した質問を重ねることができます。
- 算出方法の確認:回答を生成するために使用したフィールドを確認できます。
- 会話履歴の保存:過去の会話が自動で保存され、後から参照して結果を確認できます。
- コードインタープリタの活用:自然言語の質問をPythonコードに変換・実行することで、より高度な分析ができます。
やってみる
BigQuery → Looker Studio Proの構成で、サンプルにデジタルメディアの実績レポートを入れて会話してみましょう!
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まずはデータの中身について確認する質問をしてみましょう! データの中身や含まれている期間についても丁寧に答えてくれています。 日本語入力の場合、エンターキーでそのまま会話が送られてしまうので、注意が必要です。

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次に、インプレッションが大きかった媒体について聞いてみます。 媒体ごとの集計をしてくれた上、棒グラフも作ってくれていていいですね。

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更に、少しイジワルしてコンバージョン率の良かった媒体を聞いてみます。 元のデータには、”コンバージョン率”という指標は無いのですが、コンバージョン数とクリック数から計算してくれています。 これには少しカラクリがあり、データソースの設定にコツがあり、応用編に記載しています。

応用編:設定のポイント
データの設定編
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データソースには”手順”という項目を設定することができます。 これはかんたんにいうとデータソースに対するコンテキスト(データの背景や前提条件など)のことです。
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今回のデータには以下のような”手順”(≒コンテキストを与えています) ポイントは2つあります。
- Synonyms(同義語)で、BigQueryの英語列名に日本語の別称を与えています。 ここに社内用語などの様々な呼び方を登録しておくことで、より柔軟な日本語に対応することができます。
- 手順の例で、よく使う計算指標を定義しています。 社内の計算定義を登録しておくことで、余分な指示を与えずに期待する回答を得ることができます。
Synonyms: 日付: date, 日, 期間 媒体ID: media_id, メディアID 媒体メニュー名: media_name, 媒体名, メディア アカウントID: account_id, アカウント アカウント名: account_name キャンペーンID: campaign_id, キャンペーン キャンペーン名: campaign_name 広告グループID: ad_group_id, 広告グループ 広告グループ名: ad_group_name クリエイティブID: ad_id, クリエイティブ クリエイティブ名: ad_name タイトル: title 説明文: description インプレッション数: impressions, インプレッション クリック数: clicks, クリック コスト: cost, 費用, 広告費 コンバージョン数: conversions, コンバージョン 視聴数: views 視聴完了数: views_completed
手順の例: 特に指定がない限り、データ内に含まれている最新の30日間のデータを分析してください。 ユーザーが「パフォーマンス」について言及した場合、特に指定がない限り、impressions, clicks, cost, conversions, views, views_completed を総合的に評価してください。 ユーザーが「効率」について言及した場合、costに対するclicks、conversions、views_completedの割合を計算してください。 ユーザーが「トレンド」について言及した場合、dateでグループ化し、時系列分析を行ってください。 ユーザーが「媒体」について言及した場合、media_id または media_name でグループ化してください。 ユーザーが「アカウント」について言及した場合、account_id でグループ化してください。 ユーザーが「キャンペーン」について言及した場合、campaign_id でグループ化してください。 ユーザーが「広告グループ」について言及した場合、ad_group_id でグループ化してください。 ユーザーが「クリエイティブ」について言及した場合、ad_id でグループ化してください。 ユーザーが「コスト効率」について言及した場合、costの合計 / conversionsの合計 または costの合計 / views_completedの合計 を計算してください。 ユーザーが「視聴効率」について言及した場合、views_completedの合計 / viewssの合計 を計算してください。 ユーザーが「コンバージョン率」について言及した場合、conversionsの合計 / clicksの合計 を計算してください。 ユーザーが「クリック率」について言及した場合、clicksの合計 / impressionssの合計 を計算してください。 ユーザーが「貢献度」について言及した場合、各ディメンション(媒体、アカウント、キャンペーンなど)の合計に対する割合を計算してください。
結果の見方編
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回答にはQuery Result(クエリの結果)が付いてきます。 これを見ることで、回答するためにどのような列を参照し、どのような計算プロセスを経たのかをみることができます。 意図した回答を得られていない場合、ここをチェックし、必要に応じてデータの設定を変えると良いです。
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先の例で、コンバージョン率を質問していますが、その回答のQuery Result(クエリの結果)を見てみます。

英語で書いてあるものを翻訳した結果です。 ほぼ期待通りの挙動で結果を出力していることがわかります。
- 列 media_name を選択しました。
- コンバージョンの合計を計算して total_conversions を作成しました。
- クリックの合計を計算して total_clicks を作成しました。
- total_conversions を total_clicks で割って、conversion_rate を計算しました。
- データを media_name でグループ化しました。
- 結果を Conversion_rate の降順で並べ替えました。
最後に
“Looker Studio Pro 会話分析”はひとつの手段です。
理想と現実のギャップから課題を定義し、想定される課題への疑問に応えられるよう設計し、課題解決に活用していきましょう。