こんにちは、廣本です📈。
ダッシュボードをつくるためには、使用するデータをもとに、分析の流れを意識したグラフ選定とレイアウト、そしてデータを確認した後のアクションまで考える必要があります。単にグラフをたくさん並べれば良いというものではなく、見る人が直感的に理解しやすく、次のアクションにつながるものでなければなりません。
そんないろいろと考えることの多いダッシュボードですが、今回はClaude(Claude Sonnet 4.5)に指示をしてダッシュボードを作成してもらいました。
果たして、実用的なダッシュボードをつくることはできるのでしょうか?
使用するデータ
今回は以下のデジタル広告のサンプルデータを用いて、ダッシュボードを作成します。なお、サンプルデータ自体もClaudeに作成してもらいました。
date,media,imp,click,cost
2024-01-01,SocialHub,45000,1350,67500
2024-01-01,VideoStream,32000,640,48000
2024-01-01,SearchMax,28000,1120,84000
2024-01-02,SocialHub,48000,1440,72000
2024-01-02,VideoStream,35000,700,52500
2024-01-02,SearchMax,30000,1200,90000
2024-01-03,SocialHub,42000,1260,63000
2024-01-03,VideoStream,29000,580,43500
2024-01-03,SearchMax,25000,1000,75000
2024-01-04,SocialHub,51000,1530,76500
2024-01-04,VideoStream,38000,760,57000
2024-01-04,SearchMax,33000,1320,99000
2024-01-05,SocialHub,47000,1410,70500
2024-01-05,VideoStream,31000,620,46500
2024-01-05,SearchMax,27000,1080,81000
2024-01-06,SocialHub,39000,1170,58500
2024-01-06,VideoStream,26000,520,39000
2024-01-06,SearchMax,22000,880,66000
2024-01-07,SocialHub,41000,1230,61500
2024-01-07,VideoStream,28000,560,42000
2024-01-07,SearchMax,24000,960,72000
2024-01-08,SocialHub,53000,1590,79500
2024-01-08,VideoStream,40000,800,60000
2024-01-08,SearchMax,35000,1400,105000
2024-01-09,SocialHub,49000,1470,73500
2024-01-09,VideoStream,36000,720,54000
2024-01-09,SearchMax,31000,1240,93000
2024-01-10,SocialHub,44000,1320,66000
2024-01-10,VideoStream,33000,660,49500
2024-01-10,SearchMax,29000,1160,87000
データの特徴:
- 期間: 2024年1月1日〜10日(10日間)
- 媒体: 3つの架空媒体(SocialHub、VideoStream、SearchMax)
- imp(インプレッション): 22,000〜53,000の範囲
- click(クリック数): impの約2〜4%程度
- cost(コスト): 媒体によって異なるCPC/CPMを想定
各媒体の傾向を少し変えており、SearchMaxは高コスト、SocialHubは中コスト、VideoStreamは比較的低コストという設定にしています。
まずは情報なしで
まずは、Claudeに前提条件や考え方を伝えず、そのまま依頼してみました。
プロンプト
上記のデータを使用したダッシュボードを作成してください。
出力はHTML形式でお願いします。
なお、はてなブログのHTML編集モードで下記のコードを追加し、1つの記事内の1コンテンツとして表示したいです。はてなブログ全体の色やデザインに影響が出ないようにしてください。
作成されたダッシュボード

最初に目に入る上段には全体の集計結果のスコアカードが並び、中段には日別のインプレッション推移、下段には詳細表が並ぶレイアウトになりました。
元のデータにはなかったCTR(クリック率)やCPC(クリック単価)の指標も自動で計算し、ダッシュボードに表示してくれています。
きれいにまとまったダッシュボードに見えますが、私は以下の点が気になりました。
- 数字は確認できるが、これをどう解釈し、どのように次のアクションにつなげるべきかわからない。(=データからアクションを導くストーリーや意図が感じられない)
- 推移グラフの指標として、なぜインプレッションを採用し、それ以外の指標の推移は表示しなかったのか。
- 推移グラフで棒グラフを使用すると、媒体別の比較はできるが、変化がわかりにくい。
ダッシュボードの作成目的や利用者等、前提条件を何も与えていないので、当然の結果ともいえます。
では次に、もう少しダッシュボードを作成する背景情報を追加したいと思います。
背景情報を追加してみる
デジタル広告の運用担当者がデータにもとづくアクションを取れるよう、下記の情報を追加し、再度ダッシュボードをつくってもらいました。
プロンプト
背景情報を追加します。下記の背景情報を踏まえて、再度ダッシュボードを作成してください。
<利用背景>
・ダッシュボードの目的: デジタル広告の運用最適化(できるだけ低予算で高い成果を目指す)。広告費用対効果の最大化。
・ダッシュボード利用者: デジタル広告の運用者
・ダッシュボードを見た後のアクション:
日々の広告パフォーマンス(imp, click, cost, CTR, CPC, CPM)を迅速に把握する。
異常値(例: 前日比でCTRが〇%以上悪化、CPCが〇%以上上昇)や、各メディアにおける大きなパフォーマンス変化(急激なimp/costの増減、効率の悪化/改善)を早期に発見する。
発見された異常値や変化に基づいて、予算の調整、広告クリエイティブやターゲティングの見直し、出稿の一時停止など、迅速かつ具体的なアクションを取る。
・ダッシュボードの利用頻度: 毎日(朝一番で確認し、日中の運用に活かす)
・特に重要視するKPI:
CTR (Click Through Rate / クリック率): 広告の魅力度やターゲットとの関連性を見る。
CPC (Cost Per Click / クリック単価): クリック獲得の効率性を見る。
CPM (Cost Per Mille / インプレッション単価): 広告表示のコスト効率を見る。
・ダッシュボードに求める機能・視覚化:
全体サマリー:最新データの日付におけるimp, click, cost, CTR, CPC, CPMの値を表示し、前日からの変化率も併記する。
日別推移グラフ:過去30日間のimp, click, cost, CTR, CPC, CPMのトレンドを把握できる折れ線グラフ。
メディア別パフォーマンス比較:各メディアのimp, click, cost, CTR, CPC, CPMを一覧で比較できる表。特に効率の悪いメディア(高CPC、低CTRなど)が視覚的にわかりやすい工夫(例: 色付け、アイコンなど)が欲しい。
異常値アラート:特定のKPIが設定した閾値を超えた場合に、視覚的に警告する機能(例: 赤字表示、ハイライト)。
作成されたダッシュボード

まず目につくのは上段にある異常検知アラートです。利用頻度を『毎日』としていたことを踏まえ、前日から大きな変化があった指標をひと目で把握できるようになっています。
中段では各指標の推移、そしてメディア別のパフォーマンス比較が表示されています。各グラフのスケールが異なるという注意書きもありがたいですね。パフォーマンス比較では実績をただ表示するだけでなく、注意が必要な値の色が変えられており、視覚的にわかりやすい配慮がされています。「評価」列でどう解釈すれば良いのかもわかるので、初心者やデータを見るのに慣れていない人でも直感的に理解することができます。
着目すべき指標や達成基準を明確にすることで、次に取るべきアクションが一気にわかりやすくなりましたね。
データアナリストの観点を加えてみる
ダッシュボードを使用する運用担当者の視点で作成した上記のダッシュボードに、さらにデータアナリストの観点を加えてブラッシュアップしてみましょう。
まずは現在のダッシュボードの画像および情報を与え、改善点をリストアップしてもらったうえで、ダッシュボードを改善してもらいました。
プロンプト ※ダッシュボードの画像も一緒に提示
あなたは、デジタル広告の運用最適化を専門とする、経験豊富なデータアナリストです。
以下の「利用背景」と「現在のダッシュボードの状況」を詳しく分析し、デジタル広告運用者が「できるだけ低予算で良い成果を得る」という目的を達成できるよう、ダッシュボードをプロのデータアナリストの観点からブラッシュアップするための具体的な改善提案を、理由と合わせて詳細に記述してください。
特に、ダッシュボード利用者が異常値や大きな変化にいち早く気づき、適切なアクションを取れるようになるための改善点に焦点を当ててください。
技術的な制約として、提案される改善は、既存のダッシュボードがHTML/CSS/JavaScriptのみで構成されており、外部ライブラリを使用せず、Hatena Blogに埋め込み可能であるという前提で考慮してください。
利用背景 ダッシュボードの目的: デジタル広告の運用最適化(できるだけ低予算で高い成果を目指す)。広告費用対効果の最大化。 ダッシュボード利用者: デジタル広告の運用者 ダッシュボードを見た後のアクション: 日々の広告パフォーマンス(imp, click, cost, CTR, CPC, CPM)を迅速に把握する。 異常値や、各メディアにおける大きなパフォーマンス変化を早期に発見する。 発見された異常値や変化に基づいて、予算の調整、広告クリエイティブやターゲティングの見直し、出稿の一時停止など、迅速かつ具体的なアクションを取る。 ダッシュボードの利用頻度: 毎日(朝一番で確認し、日中の運用に活かす) 特に重要視するKPI: CTR (Click Through Rate / クリック率)、CPC (Cost Per Click / クリック単価)、CPM (Cost Per Mille / インプレッション単価)
現在のダッシュボードの状況 (あなたがAIに伝える情報) ダッシュボードは大きく4つのセクションで構成されています。
A. 最上部のサマリーKPIセクション:
タイトル: 「広告運用ダッシュボード」
最終更新時刻: 「最終更新: 2024-01-10 09:00」
異常値検知アラート: 赤い背景の警告バーが表示され、「SearchMaxのCPCが前日比+15.3%上昇しています。VideoStreamのCTRが前日比-12.5%低下しています。」と具体的な異常が記載されています。
主要KPIカード (6枚):
TOTAL IMPRESSIONS: 106 K (▲ 2.9% vs 前日, 緑色)
TOTAL CLICKS: 3,140 (▼ 5.7% vs 前日, 赤色)
TOTAL COST: ¥202.5 K (▲ 8.2% vs 前日, 緑色)
CTR (CLICK RATE): 2.96% (▼ 8.3% vs 前日, 赤色)
CPC (COST PER CLICK): ¥64.5 (▲ 14.8% vs 前日, 赤色)
CPM (COST PER 1K IMP): ¥1,910 (▲ 5.1% vs 前日, 赤色)
各カードには現在の数値と、前日比の増減率が矢印と色(増加/改善は緑、減少/悪化は赤)で示されています。ただし、「TOTAL COST」は増加が緑色で表示されています。
B. パフォーマンス推移 (10日間) グラフセクション:
「効率指標 (CTR/CPC/CPM)」と「ボリューム指標 (IMP/Click/Cost)」の2つのタブがあり、現在は「効率指標」が選択されています。
各指標は異なるスケールで表示されている旨の注意書きがあります。
CTR (Click Through Rate) - クリック率、CPC (Cost Per Click) - クリック単価、CPM (Cost Per Mille) - インプレッション単価 の3つの折れ線グラフが個別に表示されています。各グラフのX軸は日付、Y軸は各KPIの数値で、タイトルと凡例があります。データポイントにホバーしても詳細な数値は表示されません。
C. メディア別パフォーマンス比較 (最新日: 2024-01-10) テーブルセクション:
MEDIA, IMP, CLICK, COST (¥), CTR, CPC (¥), CPM (¥), 評価 の列を持つテーブルです。
各メディアの最新日のパフォーマンスが表示されています。
評価 列には SocialHubに「√優良」、VideoStreamに「▲要改善」、SearchMaxに「◎高コスト」というアイコンとテキストが表示されています。
特定のセルが赤色で強調表示されています (例: VideoStreamのCTR 2.00%、CPC 75.0、SearchMaxのCPC 75.0、CPM 3,000)。
D. 詳細データ (過去10日間) テーブルセクション:
日付, MEDIA, IMP, CLICK, COST (¥), CTR, CPC (¥), CPM (¥) の列を持つテーブルです。
過去10日間の日別・メディア別の詳細データが表示されており、メディア別比較テーブルと同様に特定のセルが赤色で強調表示されています。
テーブルにソート機能やフィルタリング機能はありません。
作成されたダッシュボード

変更点:
🔴 最優先改善
- コスト増減の評価反転 - COST, CPC, CPMの増加を赤色(警告)、減少を緑色(良好)で表示
- 推奨アクション表示 - 優先度付きで具体的なアクション提案
- 効率スコア導入 - 100点満点のスコアと星評価で媒体を評価
🟡 高優先度改善
- トレンド表示強化 - 各KPIカードに過去7日間のスパークラインを追加
- 予算ペース管理 - 月間予算の消化状況と理想ペースを可視化
- 比較ビュー追加 - 前日比/先週同曜日比/7日平均比の選択可能
- テーブルソート - カラムヘッダークリックでソート機能
- テーブルフィルター - メディア別、異常値のみの絞り込み
データアナリスト視点が加わることで、データを多角的に掘り下げ、より具体的なアクションに繋げやすくなりましたね。
最初に作成したダッシュボードから格段に使いやすくなったと思います。
まとめ
今回はClaudeを活用してダッシュボードを作成しました。短時間で実用的なダッシュボードの構成を考えることができました。AIを使うことで、ダッシュボード作成に悩む時間をグッと減らすことができそうです。
一方で、ダッシュボード作成において最も重要なのは必要な情報をきちんと整理することです。見た目が「良い感じ」のダッシュボードでも、いつ・誰が・どんな目的で使用するのかが明確になっていないままでは、次のアクションにつなげることはできません。AIの力で高速にアウトプットできるからこそ、「データ」、そして「ダッシュボードの利用者」としっかり向き合うようにしましょう。
実際のダッシュボード
📊 広告運用ダッシュボード
🎯 今日の推奨アクション
💰 月間予算進捗 (1月)
📈 パフォーマンス推移 (10日間)
🎯 メディア別パフォーマンス比較 (最新日: 2024-01-10)
| MEDIA | IMP | CLICK | COST (¥) | CTR | CPC (¥) | CPM (¥) | 効率スコア |
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📋 詳細データ (過去10日間)
| 日付 | MEDIA | IMP | CLICK | COST (¥) | CTR | CPC (¥) | CPM (¥) |
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