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produced by Hakuhodo DY ONE

本ブログは、株式会社Hakuhodo DY ONEの開発チームによるエンジニアブログです。
それぞれのメンバーが業務を通して得た技術情報や、各種セミナーの参加レポート、またその他トピックについて情報発信を行っています。

〜AIがBIダッシュボードをつくってくれる世界〜 Squadbaseを使ってみた

こんにちは、廣本です📊。今回は、AIが主体となりBIダッシュボードを構築する「Squadbase」を使ってみました。

Squadbaseとは

Squadbaseは株式会社Queueが提供するクラウドプラットフォームで、2025年5月にリリースされました。Squadbaseのサービス紹介では、「SQLもチャートビルダーも不要。質問するだけで、AIデータアナリストがインタラクティブなBIダッシュボードを構築します。」という説明がされており、説明の通りAIによるBIダッシュボードの構築が可能なツールとなっています。

 

Squadbaseを使ってみた

では実際にSquadbaseを使ってみましょう。


Squadbaseの環境

Squadbaseの環境には、大きく「スペース」と「プロジェクト」が存在します。

スペースは、チームでアプリケーションを開発・共有・管理するための環境です。複数のプロジェクトの管理や、アクセス権限の管理をおこないます。

 

プロジェクトは特定のダッシュボードを管理するための環境です。ダッシュボードのコードを管理したり、ダッシュボードの作成をおこなったりします。

 

データ接続

まずはデータ接続からおこないましょう。今回は「General」というスペース内に、「Sampleダッシュボード」というプロジェクトを新規作成します。

 

新規プロジェクトの作成後、まずはデータソースの選択をおこないます。Excel/CSV以外にも、SnowflakeやBigQueryなど、さまざまなデータソースに接続することが可能です。

今回はSquadbaseにおいて標準で用意されている「サンプルデータセット」を使ってみましょう。


サンプルデータセットを選択し、「続ける」をクリックします。


なお、今回使用するデータは「orders.csv」というファイルと「marketing_spend.csv」という2種類になっています。どのようなデータなのかは、後ほどのステップで確認してみましょう。

データを読み込むと、ローカルファイルをアップロードした場合は、そのデータがSquadbase DB上に保存されます。今回はCSVファイルを使用しているため、Squadbase AIによりSquadbase DBが自動的に作成・保存されました。

その後、Squadbase AIがデータの構造を把握し、分析方針の確認をおこないます。ちなみに「あなた」というユーザーからの指示がありますが、これは私が記載したわけではなく、自動的に記載された指示です。


分析の方針は自分でカスタマイズすることも可能ですが、今回は候補としてあがっている「売上・収益パフォーマンス分析」というのを試してみましょう。

「売上・収益パフォーマンス分析」を選択すると自動的に指示がかかれ、Squadbase AIがデータ準備の作業を進めてくれます。

ここで注目したいのは、「orders」テーブルのみを使用している点です。

今回は「orders.csv」と「marketing_spend.csv」の2つのCSVファイルを用意していましたが、ダッシュボードに使用するデータとしてテーブルが作成されているのは、「orders」テーブルのみとなっています。Squadbase AIが先ほどの分析したい内容から推測し、必要なデータソースのみを選んでテーブル作成をおこなっています。おそらく「marketing_spend.csv」はマーケティング戦略(広告など)にかけたコストのデータであるため、企業全体の売上や収益を分析する用途においては不要と判断されたのでしょう。

仮に分析の方針を決める際に「マーケティングチャネル効果分析」を選択していたら、「marketing」テーブルも合わせてテーブルが作成されていたかもしれません。

不要なデータの取り込みを避けられるメリットがある反面、分析の方針次第では、初期段階で生成されないテーブルが生じる可能性があるため、この点は注意しておきましょう。

セットアップが完了すると同時に、ダッシュボードのグラフ作成も完了しているようです。エディター画面を確認してみましょう。


エディター画面の確認

ダッシュボードを構築するエディター画面は、以下のような構成になっています。


左のチャット欄では、こちらの指示の記載や、Squadbase AIからの返答・作業工程が表示されます。右側のプレビュー画面ではダッシュボードイメージを確認できるほか、コードやデータの詳細を確認することができます。


最初のステップで作成されたダッシュボードは以下です。
データの取り込みからダッシュボードの作成までが、ほんの数分で完了しました。では、このダッシュボードを活用していくための確認や修正をおこなっていきます。


コードとデータの確認

上部の「コード」タブをクリックすると、ダッシュボード内部で使用されているコードを確認することができます。


同じく上部の「データ」タブをクリックすると、データの詳細を確認することができます。アップロード済みファイルの中から、「marketing_spend」「orders」ファイルを確認すると、下記のようになっています。
※ヘッダー位置がズレているように見えますが、他のデータでも同様になっていたため、これで問題ないようです。


次にSquadbase DBを確認してみましょう。このSquadbase DB上で作成されているテーブルが、ダッシュボードで使用されるデータとなっています。現在は「orders」という名前のテーブルのみが作成されており、「marketing_spend」という名前のテーブルは作成されていません。

そのため、現状の設定ではダッシュボード作成時に「maeketing_spend 」のデータを参照することはできないため、注意しましょう。この確認と対処方法は後ほどのダッシュボード修正のステップで確認します。


なお、データとダッシュボードのアーキテクチャのイメージは以下です。


クエリ・関数を確認すると、ダッシュボード上の各グラフで使用しているカラムを確認することができます。


スコアカードをクリックすると、より詳細な情報を確認することができます。SQLクエリを直接確認することもできるため、表示している数値の出し方を確認することができます。


最後にナレッジを確認してみましょう。ここではシステムプロンプトとして機能するプロンプトを確認・修正することができます。ビジネスコンテキストやセマンティックレイヤーの定義を記載しておくと良いでしょう。


ダッシュボードの修正

ではSquadbase AIにダッシュボードの修正を依頼してみましょう。

グラフの追加

まずは現状のダッシュボードにないグラフの追加を依頼してみましょう。提案されている「KPIに前月比を追加」を選択します。

するとKPIスコアカードに前月比が追加されました。前月からの変化がわかりやすくなりましたね。

フィルターボタンの追加

次にダッシュボード全体に適用するフィルターボタンを追加します。せっかくなのでSquadbase AIに提案してもらいましょう。

商品カテゴリをトグルボタン型で依頼してみました。

ダッシュボード全体に作用するフィルターボタンを実装することができました。

既存グラフの修正

さらに既存グラフの修正をおこなってみましょう。ダッシュボードを確認すると、「売上推移」「売上構成」の凡例がグラフと重なってしまっています。ここの修正を依頼してみましょう。

プレビュー画面右上にある「Element Selection Mode」をONにすると、ダッシュボードの特定の箇所を選択することができるようになり、Squadbase AIへの指示出しがより的確におこなえるようになります。

「売上・利益推移」「国別売上構成」「商品カテゴリ別売上構成」の3つのグラフを選択した上で、修正を依頼します。

やや解消されましたが、「商品カテゴリ別売上構成」の重なりがまだ気になりますね。

 

「商品カテゴリ別売上構成」に絞って修正依頼を続けましょう。

何度かやり取りをして、無事、意図通りの修正をおこなうことができました。一度に複数の指示をまとめておこなうのではなく、できるだけシンプルな指示を心がけ、ステップ・バイ・ステップで修正するのが良さそうです。


データの追加

次に「marketing_spend」のデータを使用したグラフの追加依頼をします。
まず、「order」テーブルのみで作成可能なマーケティングチャネル別のグラフの作成を依頼します。


そして、「marketing_spend」にしか存在しない、impressionとclickの追加を依頼してみました。しかしSquadbase DB上に存在しないためか、うまく表示されません。


そこで、今度は「marketing_spend」をSquadbase DB上に追加依頼をしてみました。すると、無事にグラフが表示されるようになりました。


Squadbase DBを確認すると、「marketing_spend」テーブルが新たに追加されていることがわかります。


CSVダウンロード機能の実装

拡張機能的な要素の追加依頼をしてみましょう。「商品別利益率ランキンググラフ」の結果をCSV形式でダウンロードできるボタンの実装を依頼してみます。

すると、あっという間にCSVダウンロードボタンを実装してくれました。

 

ダウンロードしたCSVファイルの中身も確認しましたが、問題なく、正しい数値がダウンロードできました。

ダッシュボードサマリの追加

最後に、ダッシュボードサマリの追加を依頼してみましょう。

抽象的な指示で依頼をしましたが、Squadbase AIがいくつかの観点でまとめてくれました。このサマリがあると、レポートをする際にも便利ですね。

 

まとめ

今回はSquadbaseの検証をおこないました。データの接続・データ定義・ダッシュボードの構築・修正までが、非常に簡単かつ高精度に実現できました。ダッシュボード画面のコードをつくるだけであれば一般的なLLMのみでも対応できますが、データを参照した上での自動プロンプト作成や、裏のコードの確認、ダッシュボード修正など、かゆいところに手が届く機能が充実しており、実用性が非常に高いなと感じました。

また、ダッシュボードやデータの初心者であっても、Squadbase AIに壁打ちしながら実装できるため、前提スキルがなくとも非常に使いやすいのではないでしょうか。Squadbase AIはダッシュボード構築者という側面だけではなく、コンサルティングやデータアナリストの役割も担ってくれており、「ダッシュボードを構築すること」がゴールにならず、「ダッシュボードを活用して意思決定をおこなうこと」を見据えた活用ができそうです。

 

その上で、人間が果たすべき役割は何になるのでしょうか?私は以下の2つがポイントになると思います。

1つ目のポイントは、信頼できるデータ基盤の構築とセマンティックレイヤーです。いかにSquadbaseが柔軟にダッシュボードの構築や分析をサポートしてくれるとしても、そもそものデータが誤っていては意味がありません。信頼できるデータ基盤を構築すること、そしてそのデータ基盤を正しく扱うためのセマンティックレイヤーを正しく定義することが重要になるでしょう。

そしてもう1つのポイントは、意思決定です。Squadbase AIの成果物や示唆を踏まえて、最終的にどんな判断を下すかの最終責任は、それを使う人間に委ねられます。正しい判断をおこなうためにも、ビジネスやデータに関する理解を深めるために日々勉強することも大切になるのではないでしょうか。

状況がめまぐるしく変わる現代、要件が変更するたびにダッシュボードを修正することは、利用者にとっても構築者にとっても負荷が大きいことでした。しかしSquadbaseを活用することで、それぞれの人間が取り組むべき本質的なことに時間を割くことができるようになります。気になる方はぜひ使ってみてください!


<完成したダッシュボード>

 

この記事を書いた人

廣本 (id:hrhrkun)

以前はBIの開発業務を担当。今はナレッジマネジメントの推進や、AIエージェントの開発をメインにいろいろ行っています。